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【2019年10月号】失敗しない人材採用計画を目指してミスマッチを防ぎ、「面接」を見極める!

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現在の人材採用は、経営ビジョンや経営戦略を具現化する能力を持つ人材を確保する戦略性が求められている。それには何としても「ミスマッチ」を防ぎたいもの。今回は長年のコンサルティング経験から採用面接もアドバイスする鳥澤謙一郎氏に、最新の適性検査など、面接での見極め方についてうかがった。

鳥澤謙一郎氏オリジナルシート

◆ミスマッチを防ぎ、合否を見極めるチェックシート
現在、大卒新入社員の3割が、入社後3年以内に離職しているといいます。これでは採用コストや教育コストが無駄になるだけでなく、会社の将来にも大きな痛手となります。離職する理由はさまざまでしょう。「待遇が不満」「期待したようなやりがいを感じられない」「人間関係がうまくいかない」等々。これらは一言でいえば「ミスマッチ」に他なりません。採用段階で、企業と求職者のお互いの意思を確認し合っていれば、ミスマッチを防ぐことができたと思われます。でも、入社してみなくてはわからないというのが本音でしょうし、面接で採用する・しないの見極めは至難の技ともいえ、人事担当者の頭を悩ませています。そこで、私が面接時に役立ててほしくて作成した「仕事力・自己診断シート」(下図)をご紹介させてください。これは私がコンサルティングしてきた現場で蓄積してきたことと、これまで出会った多くのビジネス成功者から学んだことをもとに作成したものです。

◆自己肯定できる人かどうか
このシートは、「自己肯定力」をチェックするものとして作成しました。ビジネス現場では失敗することのほうが多く、例えば私がリクルートの営業マンだった頃の新規獲得率は5%でした。戦略的に計画を立て、リストを作成し、アポイントを取り、たくさん断られてやっとプレゼンできても、契約に至るのは僅か5%。つまり、100件にプレゼンして、契約はたった5件だけ。“心が折れる”とはいいますが、断られ続けていたら、自分を信じる力とか、こうなりたいという理想を持ち続けるには自己肯定力がないと、なかなか前に進めません。100のうちに95も失敗しても、「95のダメなやり方を知った」と思う失敗を学びに変えるポジティブさ、自己肯定力がビジネス現場では必要だからです。シートの設問に対する答えは◎が多いに越したことはないのですが、実はたった3つの設問の答えだけを見て判断できるように作っています。

◆この3つの設問の答えが◎であれば採用すべき人物
まず、[1]コミュニケーション力では、10の「自分のこれまでの人生は運がいいと思っているか」は◎であれば採用したい人材といえます。運がいいと思っている人は前を向いています。例えば“出会い”を偶然だとしても「これはいい出会いだ」と思う心持ち、肯定的な考え方は良い出来事を引き寄せます。また、「運がいい」という人は、自分のいたらなさを認める素直さもあるので伸びる可能性が高いと思います。それに対して「運が良くない」と思う人は、物事に対して否定的かつ批判的なので、周囲の応援も得にくいですよね。
[2]主体力では、20の「労働条件より成長できる環境を重視するか」も◎なら合格です。「労働条件」といえば給与や報酬ですが、それは結果の話です。結果はまだ出していないのに、お金を求めるのはどうでしょうか。お金が先にありきだと、キャリアを積んだ技術者は別にして、小さくまとまってしまい、すぐに不満を言うような気がします。それよりも、「こういうことがしたい」「この仕事を通して成長したい」と自己実現したい人、自己の能力や個性を生かしていきたいという人なら、結果としてのお金はついてくる環境がある。そんなスタンスで採用し、受け入れたいものです。
[3]達成力では、30の「両親を尊敬し、年長者・上司を立てることができるか」も◎であればOKです。生みの親、育ての親に尊敬せずして成功した人はいないのではないでしょうか。これまで出会ったビジネスで永続的に成功された方たちを見ていると、生みの親、育ての親には常に感謝の念を持ち、先輩や上司、周囲をさり気なく立てています。主観的な言い方になるかもしれませんが、10、20、30の設問が◎であれば、あとの設問が△や×ばかりでも、採用してもよい人物だと私は考えています。

◆面接は先入観を抑え、過去の事実を深掘りしていく
「仕事力・自己診断シート」は私の経験から導き出されたものですが、客観的なデータを駆使したチェックシートをご紹介しておきましょう。株式会社ヒューマンキャピタル研究所の適性検査「HCi-AS(HumanCapital Institute-AdaptationSupport)」です。6千社、200万人以上の検査実績があるそうで、診断結果と受検者本人の性格特徴を照らし合わせたときの合致性・正確性は85%以上だといいます。その「HCi-AS」を紹介する前に、懇意にする同社の猪俣卓氏に面接のポイントを話してもらいましょう。猪俣氏「面接で気をつけたいのは、書類や第一印象などから抱く主観による“先入観”です。先入観があると客観的に見るのが難しくなるのですが、なかなか取り除くこともできません。そこはあえて先入観があることを認めてから臨むのもいいでしょう。例えば挨拶がハキハキして『好青年だ。』という先入観が生じても、一歩引いて『好青年だが、……』というように心がけるのです。また、面接では応募者がどういう人物なのか、過去の経験や実績などいろいろな角度から訊き出します。その訊き出した事を深掘りしていきましょう。どうしてそれをやろうと思ったのか、何がきっかけだったのか、その結果はどうなって、どのように感じたのか。深掘りして、その人の考え方や視点の置き方を掴むことです。過去の事実を徹底的に深掘りしていくのが面接官のスタンスだと思います。一方、新卒なら『御社ではこんなことをしたい』と未来の話になると思いますが、その場合は、なぜそれがしたいのか、あなたなら何ができそうか、といったような感じで深掘りをしていけばいいかと思います」

◆「見極め」のために、適性検査も活用してみる
採用面接は、かなり高度なスキルを必要とします。1度や2度会っただけで応募者がわが社にふさわしいのかどうかの「見極め」が求められるからです。それができていないから、早期退職が後を絶たないミスマッチが起こっているといえます。しかも、昨今は売り手市場と言われ、人手不足が深刻化しており、欲しい人材が来ないが故に採用を急ぐケースが、よりミスマッチを生み出しているように思えます。また、面接だけでわかることは限られていますし、面接だけで決めると面接官の主観が採用を左右することになり、それもまたリスクがあるといえます。そこで、先の適性検査「HCi-AS」を活用してみるといいかもしれません。猪俣氏「この適性検査HCi-ASは、面接では分からない応募者の本質的な性格特徴を、簡単なアンケートで明らかにします。実施がしやすいのもポイントで、アンケートを受けて、その診断結果が出るのに30分もかからないスピーディーな検査なのです」

◆受検者の個性まで確認できる診断結果
採用面接は、かなり高度なスキルを必要とします。1度や2度会っただけで応募者がわが社にふさわしいのかどうかの「見極め」が求められるからです。それができていないから、早期退職が後を絶たないミスマッチが起こっているといえます。しかも、昨今は売り手市場と言われ、人手不足が深刻化しており、欲しい人材が来ないが故に採用を急ぐケースが、よりミスマッチを生み出しているように思えます。また、面接だけでわかることは限られていますし、面接だけで決めると面接官の主観が採用を左右することになり、それもまたリスクがあるといえます。そこで、先の適性検査「HCi-AS」を活用してみるといいかもしれません。猪俣氏「この適性検査HCi-ASは、面接では分からない応募者の本質的な性格特徴を、簡単なアンケートで明らかにします。実施がしやすいのもポイントで、アンケートを受けて、その診断結果が出るのに30分もかからないスピーディーな検査なのです」

◆ストレス耐性に強いかどうかも大切
さらにHCi-ASには、受検者のメンタルヘルスについてもアドバイスしてあるので心強いと思いますよ。猪俣氏「最近では、仕事を任されるプレッシャー、クレーム、ミス、職場での人間関係など日々生じるさまざまなことからのストレスで早期退職する人が増えています。今やストレス耐性の強い人を選ぶことが採用の失敗を防ぐことにつながり、人材採用の大きなポイントになっているのです。診断結果にはその点も重視してメンタルヘルス、ストレス耐性についても明記し、採用の合否の判断材料として活用していただいております」このようなチェックシートや適性検査は、採用を迷ったときなどはもちろん、面接や試験と合わせて活用するととても役立つと思われます。ミスマッチの少ない採用計画こそまさに戦略的人事であり、企業の存亡にも関わってきますので、今回ご紹介させていただきました。